販促会議 クリエイション

salespromotion

販売促進

販売促進(販促)=セールス・プロモーションって何? 販売を促して売上向上、利益増大に貢献するために必要な一連の業務のことです。

ある商品を販売するために、意図的に策を講じて結果を出す。そのすべての手段が「販促」であり、マーケティングの中枢であるといえます。広義で捉えると、広告・宣伝、パブリシティ(PR)、はたまた人海戦術販売といった営業販売活動も当然のことながら含まれます。
販促には、予算と時間を必要とする大規模なものだけではなく、あまり費用をかけずに始められることも多くあります。アイデアとテクニックで、売上・利益向上を目指し愉しくがんばりましょう。

販促の種類

商品は基本的に、メーカー→卸売業→小売業→消費者へと移動していきます。
この各プロセスのそれぞれに販促手段があり、最終的な消費者の需要を促します。

 

① 自社内に向けて … 〔マニュアルの作成、研修会、 社内コンテスト、報奨金制度など〕メーカー系営業部員の販売意識を高め、商品知識の向上を計る。
② 流通業者向け … 〔セールスコンテスト、広告ツール提供、販売員派遣 など〕卸売業者や小売業者に対して、販売力向上の手段を講じます。
③ 消費者向け … 〔プレミアム、ノベルティ、サンプリング、セール など〕景品や割引または催しなどでアピールし、直接的にお客様の購買意向を促します。

販促の持つ役割

企業の目的とは利益を得ることであり、それにはまず自社の商品やサービスをより多く販売することが必要です。しかし類似の商品があふれる中、営業や販売だけで競合他社と戦っていくには限度があります。そこで力となるのが、営業・販売を支援することを専門とする、販促業務です。

販促は、新規の開拓から既存の深耕まですべての客層を対象に行います。

① 顧客   … すでに取引のある客層
② 見込客  … 顧客にできる可能性のある客層
③ 不特定客 … 一度も取引のない客層
対消費者の場合、まずは広告などで告知を行い、不特定客に試用を促すなどして広くアピールして新規客を獲得します。
同時に、既存客との取引密度を高め、リピート客から固定客へと導いて行くことで、売上を伸ばしていきます。
対流通業者の場合、その商品を優先的に扱いたいという気持ちと、積極的に販売したいという意欲を刺激し、取引の継続と増大を目指します。

 

製品ライフサイクル
多くの商品には、生き物のようなライフサイクルがあります。市場への参入から撤退まで、その段階ごとに適した販促テーマと効果的な販促手段があります。
言い換えれば、適切な販促を講じることで商品の寿命を伸ばすことができるのです。

① 導入期〔新商品を発表し、市場に投入する〕
認知度を高めることと、流通を確保することがテーマとなります。市場に進出するための最初の難関であり、販促の力が強く求められます。
広告全般、サンプリング、モニタリング、オープン懸賞などが効果的です。

② 成長期〔積極的に育成し、市場での存在を拡大する〕
商品の特性や優位性をアピールして売上拡大を狙います。新規開拓と同時に、顧客維持にも力を入れる必要があります。ブランドイメージを育て、競合との差別化を図っていきましょう。
デモンストレーション、クーポニング、クローズド懸賞などが効果的です。

③ 成熟期〔売上が安定し、市場での位置付けが確定する〕
商品が市場に充分浸透すると売上は頭打ちになっていきます。この時期に活性化の手段を講じることで、商品の寿命を伸ばしましょう。
割引や増量、クーポニングなど、顧客維持を目的としたサービスが効果的です。

④ 衰退期〔市場でのピークが過ぎ、売上が下降する〕
完全に普及品となると、需要量は減っていきます。
これまでに得た販売データや顧客データを活用し、次の展開に継げていきましょう。
その商品によって作り上げたブランドイメージは、他商品の販売に役立ちます。

プッシュ戦略とプル戦略

商品を販売するにおいて、需要を拡大していく方法は二つの戦略に区分されます。

 

・プル戦略   … 宣伝・広告などによって認知度を高め、消費者の側から商品を求めてもらえるようにする「引き」の販売戦略です。食品や消耗品などの低価格商品や、市場における位置付けが安定した商品に向いています。  販売の流れ:消費者→(流通業者)→企業

・プッシュ戦略 … 企業の側から積極的に営業をかけて売り込んでいく「押し」の販売戦略です。新商品や高額商品など、販売に案内や説明が必要な商品を販売する際に効果的です。   販売の流れ:企業→(流通業者)→消費者。

セールスキャンペーン

プル&プッシュ戦略を同時に行うのが、セールスキャンペーンです。
新商品の発売や既存商品の活性化に際して、期間を限定して集中的に行います。
プル型        :  お客様を販売の場へ呼び込む
プッシュ型   :  その場で購入を決意させる

実施の手順 

キャンペーンはその規模によって大きな費用がかかります。利益を上げることが目的となる販促ですが、キャンペーンを打つことはマイナスからのスタートになります。ゆえに実施に当たっては、充分な準備と企画が必要になります。
たとえば、
市場調査 : 市場における商品の需要度や競合動向、消費者動向などを調査。
目標設定 : 戦略課題を分析し、流通業者や消費者への対策と目標を設定。
予算設定 : 広告予算などの経費から商品売上目標まで各カテゴリの予算。
展開計画 : 広告、PR、プロモーションなど、販売に至るまでの展開を策定。

販促の手段


ノベルティグッズ


・日用品や文具
〔ポケットティッシュ、メモ帳、付箋、ボールペン など〕

季節に役立つグッズ
〔カレンダー、不織布マク、うちわ、カイロなどの冷却、保温グッズ など〕

・エコや防災グッズ
〔エコバッグ、タンブラー、携帯箸、ミニライト、ホイッスル、耐震マット など〕

・趣味・コレクターグッズ
〔フィギュアマスコット、キーホルダー、ピンズ、限定冊子 など


掛け合わせでアピール力を高める

例)

時事×実用=リサイクル素材ボールペン
時事×季節=グリーンカーテン用ゴーヤの種
趣味×季節=キャラクター柄ボトルウォーマー



プレミアムの種類

・総付景品  …

ベタ付けとも呼び、商品購入者にもれなく景品を提供します。

・くじ    …

商品にスピードくじやスクラッチカードを添付し、購入者にその場で当たりハズレに応じた景品を提供します。

・応募者特典 商品に付いている応募シールやパッケージのマークなどを送付した人に、もれなく景品を提供します。

クローズド懸賞 商品に付いている応募シールやパッケージのマークなどを送付した人に、抽選で景品を提供します。

・オープン懸賞商品購入の有無に関わらず、応募した人に抽選で景品を提供します。主にマス広告で広く告知し、簡単なクイズの答えを求めるなどの形式が多く見られます。

・共同懸賞 

複数のテナントや店舗が共同で行う懸賞です。(30万円まで)

クーポニング

クーポニングとは、プレゼントや無料体験、割引などの特典と引き換えるクーポン券を使った販促の手段です。

増量とバンドル

量や数を多くして販売することで、割安感を訴求する販促手法です。

モニタリング

モニタリングとは、モニター(商品を試用する人)に商品を貸与または提供し、その使用感を実際に試してもらってから購買へと結びつける販促手段です。

広告で販促


広告には企業や商品の認知度を高めるイメージ広告と、顧客からの注文や申込みを目的としたレスポンス広告があります。
販促に活用するのは主に、ダイレクトに販売に結び付くレスポンス広告です。

ダイレクトメール   ///////////////////////////////////////////////////////////////////////

・プレミアム       … 商品購入者にもれなく進呈する最もポピュラーな特典です

・ドアオープナー  … 開封を促すために封入する小物のことです。ペンや金属製のしおりなど異物感を与えるものや、未使用切手などの捨てにくいものが効果的です。

・ギミック  …スクラッチやシール、ドアオープナーとしての効果もあるトークンなどを利用します。

・フリートライアル … 実際の商品を一定期間使ってもらい気に入ったら購入、気に入らなかったら返却してもらう無料お試しサービスのことです。

チラシ    /////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

・折り込み    … 新聞(全国紙、地域紙)や、地域のフリーペーパーなどに折り込んで配布します。コスト効率が高く、幅広く撒きたい場合に適しています。ある程度の配布地区を指定することも可能です。
・ポスティング  … ポスティング業者に依頼、または自社スタッフの手によって、選定した地区に戸別配布します。折り込みよりもターゲットを絞り込んだ配布が可能ですが、その分コストがかかります。
・店頭、街頭配布 … 来店者や繁華街の通行人に、直接手渡しで配布します。新商品発売当日や、新規オープンやイベント開催当日などに行うと効果的です.

マスメディア   ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////

店舗やイベント会場など商品を販売する場所で販促を機能させるには、お客様を集めることが先決です。新聞、雑誌などのマスメディア広告は、広く集客をする際に効果的です。
また、DMやチラシと組み合わせるプロモーションミックスで相乗効果が期待できます。
例1)新聞で新店舗のオープン日時を広告+チラシで当日来店特典など詳細を告知
例2)ラジオで新商品販売イベント日時を広告+DMで来場プレゼント抽選券を送付

印刷の種類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

フライヤー・チラシ印刷

現在の一般印刷の代表的な印刷方式です。印刷機には、1枚1枚が切り離されている枚葉紙をセットして印刷します。版式としては平版印刷で、版材は薄いアルミ板でできているPS版を使うのが一般的ですが、樹脂板や板紙をベースとする版材を使うこともあります。オフセット(OFF・SET)とは「付けて離す」といった意味であり、この印刷方式の仕組みをそのまま表しています。

輪転チラシ

 印刷機には巻取り紙をセットして印刷するオフセット印刷で、枚葉印刷よりは数倍の高速で連続的に印刷できるので、新聞、折込みチラシなど短時間で大量の部数が必要な印刷に適しています。折りなどの後加工もインラインで行えます。ただしセットできる巻取り紙の幅はオフ輪機の機種に制約されます。A判の場合は1,250mm、880mm、625mmの3種類、B判の場合は1,085mm、765mm、383mmの3種類の用紙幅があります。

大部数チラシ印刷

 雑誌のグラビアページなどで馴染みのある印刷方式で、版式としては版表面が非印刷部分になる凹版印刷です。
 版は、版胴または版胴に巻きつけるラップアラウンド版の表面をエッチングした状態に作成します。製版方法には、主なものでもコンベンショナル法、網グラビア法、電子彫刻法の3種類があり、印刷目的によって使い分けられています。
 コンベンショナル法は、写真グラビアのような高品位な印刷に適しています。網グラビア法は、新聞の日曜版、雑誌、DMなどの印刷に向いています。菓子や食品を包装するフイルム資材や袋の印刷には電子彫刻法が使われます。

中綴じ冊子印刷

 かつては新聞、雑誌、書籍の印刷に多用された印刷方式ですが、現在は葉書や名刺の印刷に姿を止める程度になってしまいました。文字組版には、鉛合金でできた活字(活きている字の意)を使うので活版印刷の呼び名が生まれたといわれています。

無線綴じ冊子印刷

紙だけではなく、布、皮、ゴム、樹脂板、金属板などへの印刷が容易であるため、商業美術、生活用品、工業製品の分野で幅広く使われている印刷方式です。版式としては、「プリントごっこ」(理想化学㈱の商標)や謄写版印刷と同様の孔版印刷です。
版材には、絹糸や化学繊維で織られた紗やステンレス製のスクリーンメッシュを、ステンレス枠にきつく張ったものを使います。そのスクリーン枠に感光剤を塗布して、文字や絵を焼き付けることで版が出来上がります。印刷は手刷りか半自動式の印刷機を使って行いますが、インキの乾燥が遅いので多色刷りや大量の印刷には時間がかります。

シール印刷

  シール、ラベル、ステッカーのような、物に貼る印刷物の印刷を総称してシール印刷といいます。印刷機は総じて小型ですが、タック紙(剥離紙)や粘着シートに印刷して型で打ち抜くといった後加工が連続的に行えます。版式としては、樹脂版による凸版印刷が一般的です。

フォーム印刷

  従来は帳票印刷といわれていた印刷分野は、現在はフォーム印刷と呼ばれています。アウトプット用、インプット用、メーリング用といったビジネスフォーム、および機能性の高い伝票類が主な印刷品目です。

パンフレットカバーフォルダー印刷

 パソコンを使って作成したデジタル組版データから、ダイレクトに印刷物を作成する印刷方式です。
 使用する印刷機には、有版デジタル印刷機と無版デジタル印刷機の2種類があり、無版の場合を特にオンデマンド印刷(Print On Demand)と呼んでいます。小ロットの印刷物を短納期で仕上げられるのがオンデマンド印刷の特徴です。

 有版の場合は、ダイレクトイメージングまたはOn Press CTPとも呼ばれるように、印刷機にセットされた版にイメージングをする仕組みになっています。印刷品質はオフセット印刷と似ています。

大判プリント出力

 展示用のポスターなど、オフセット印刷では対応できない大きなサイズ(目安:A2以上)で、枚数の少ない場合に向いています。
大型インクジェットプリンタでデータから直接出力します。出力した後に、表面加工をして強度を増すこともできます。

印刷物のサイズ(よく利用される規格サイズ)

  • ■A版
  • A1(841mm×594mm):ポスターなど
  • A2(594mm×420mm):ポスターなど
  • A3(420mm×297mm):ポスター、大型チラシなど
  • A4(297mm×210mm):チラシ、月刊誌、パンフレットなど
  • A5(210mm×148mm):フライヤー、ノート、書籍など
  • A6(148mm×105mm):ポストカード、手帳、文庫本など
  • A7(105mm× 74mm):カードなど
  • ■B版
  • B1(1030mm×728mm):ポスターなど
  • B2(728mm×515mm):ポスターなど
  • B3(515mm×364mm):ポスター、大型チラシなど
  • B4(364mm×257mm):チラシ、大型雑誌、写真集など
  • B5(257mm×182mm):フライヤー、週刊誌、カタログなど
  • B6(182mm×128mm):フライヤー、雑誌、書籍など
  • B7(128mm× 91mm):手帳など
■その他、印刷物の通常サイズ
  • 名刺:55mm×91mm
  • ショップカード:54mm×85mm
  • スタンプカード(2ッ折):170mm×54mm(横型)
  • スタンプカード(2ッ折):106mm×85mm(縦型)
  • ポストカード(郵便はがき):100mm×148mm
  • 往復はがき(郵便はがき):200mm×148mm
  • 角1封筒:270mm×382mm=B4サイズが丁度入る大きさ
  • 角2封筒:240mm×332mm=A4サイズが丁度入る大きさ
  • 長3封筒:120mm×235mm=A4サイズを3ッ折りしたサイズが入る大きさ
  • 長4封筒:90mm×205mm=B5サイズを3ッ折りしたサイズが入る大きさ

店舗で販促


小売店の販促ポイント

小売店の販促において要点となるのは、不特定客をどのように集客し、どのように顧客化、固定客化していくかということです。

①来店客数を増やす … チラシなどで広告を打ったり、店頭イベントなどで話題作りをしたりして認知度を高め、より多くのお客様の来店を促しましょう。
店が通りからでも目立つようにファザードに工夫を凝らすのも効果的です。

②販売率を上げる  … 商品の品揃えはもちろん、店内のレイアウトや陳列、POP広告などにも力を入れ、来店したお客様の多くが商品を買い上げてくれるよう工夫しましょう。

③客単価を上げる  … お客様一人当たりの購買金額や購入頻度を高めるため、特典サービス提供やポイントカード発行などの策を講じます。顧客データを活用した、DM送付やアフターフォローの充実も必要となります。

店頭陳列

・開放的な間口で、遠くからでも店頭陳列の様子がわかるようにする
・サインや店頭POPのデザインで周辺店舗との差別化を図る
・ショーウィンドーや店頭の装飾に季節感やテーマ性を持たせる
・値ごろ感のある商品を数多く陳列する
・ディスプレイをこまめに変え、いつ見ても新しい発見があるようにする
・充分な照明を用いて、明るさと活気を感じさせる。



売上アップのための売場作り
・お客様が商品を    

①見やすい

②手に取りやすい 

③選びやすい
・お客様から見て商品が

①魅力的に見える 

②豊富に見える


回遊性を上げるためには、お客様が思わず足を止めてしまうポイントを作ります

例1)

コーナーごとに商品テーマに沿った手作りディスプレイを展開する
例2)

モニターを設置し、店や商品に関連した映像を流す
例3)

お客様の声や新商品情報などを掲載した壁新聞を貼る

POP

回遊性を上げるためには、お客様が思わず足を止めてしまうポイントを作ります。


・店頭POP … 店頭で目を引いて入店を促します。
〔のぼり、のれん、垂れ幕、突出し看板、告知版 など〕
・店内POP … 店内を案内して売場へと導きます。
〔売場案内、誘導表示 など〕
・陳列POP … 商品情報を伝えて購入へと結びつけます。
〔プライスカード、ショーカード、スタンドディスプレイ など

・店頭ボード … 飲食店やコンビニ、ヘアサロンなど、特に若いスタッフのいる店舗でよく設置されているのが、入口に設置してある小さな黒板(ホワイトボード)です。
例1)コンビニ『昨夜久しぶりに実家の母に電話しました。お祭りに備えて浴衣を送ってもらおうとしたら、持って行って着せてあげるって。急いで掃除しないと…。今日から新発売の抹茶プリン、お母さんも好きかな?』

例2)ヘアサロン『今日も一日、雨みたいですね。暗い気持ちにならないように、明るい色の服を着てきました!(派手すぎですか?)雨でも髪が広がらないストレートパーマ、10%オフのキャンペーン中です』


・商品POP … 個々の陳列商品に添付するPOPは、特に売上への影響力が高いといえます。商品の価格を示すプライスカードや、特徴や機能などを端的に案内するショーカードも大切ですが、スタッフの思い入れを表現することも効果的です。

例1)単行本『前代未聞のトンデモ設定なのに、謎解きはとことん本格。そして、驚愕と感動の結末へ…。圧倒的なリーダビリティと、読了後の深い満足感。
今年のイチ推し決定です!(ミステリ愛読歴15年の私が断言します)』

例2)化粧品『ありそうでなかった発色とツヤで、どんなファッションにも馴染む、上品ネイルが完成。つい自分の指先に見とれてしまいますよ』